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ウランバートル さながらコンサート

2013年07月26日

 モンゴルの大統領選は現職のエルベグドルジ大統領が再選した。その勝利宣言式典は今のモンゴルを象徴する若さと勢いを感じさせた。

 ウランバートル中心部のスフバートル広場に設置された舞台には、音響設備や大型モニターが置かれ、まるでコンサート会場。モンゴルを代表する音楽グループが次々と登場し、政治的な集会とはほど遠い雰囲気だ。

 演奏された曲目は1990年の民主化運動で歌われたものや、モンゴルをたたえた歌ばかり。モンゴル人なら誰でも知っている曲が始まると、支持者の多くは口ずさみ、ある女性大臣は曲に合わせて踊りだし熱を帯びたライブの様相。人口の7割が35歳以下という「若い国」だけのことはある。

 開始から1時間半ほどたってようやくエルベグドルジ氏が登場。しかも政府庁舎正面にあるチンギスハン像のわきから舞台に下り立ち、現代のチンギスハンをほうふつとさせる演出だ。気が付けば広場は聴衆でいっぱいとなり、最後は全員が立ち上がってモンゴル国歌を斉唱して終了した。

 式典のあいさつでエルベグドルジ氏は「民主化のおかげで今回の選挙は世界に注目された」と胸を張った。型破りな式典も民主化のおかげなのだろうか。(新貝憲弘)