2013年11月12日
出張先の米国デトロイトで、昼食を取るため下町のハンバーガー店に入った。どこにでもあるチェーン店。客も店員も、全員が黒人だった。食事をしている間に次々と入ってくる新たな客もみな、同じだった。
デトロイトは人口の8割以上が黒人だ。黒人と白人が交ざり合って住んでいるわけではないから、下町に行けば黒人ばかりになる。
地元のある男性が言った。「俺たちは黒人以外は信用しない」。もちろん、みながそう思っているわけではないだろう。でも、そういう空気があることも、事実だ。
近くに、有名なレストランがあると聞いて、夕食に出掛けた。混雑する広い店内に入ると、客はほぼ全員が白人だった。1枚の壁で店の外と中がくっきり隔てられている。
彼らは郊外に住み、車に乗っておいしいレストランにやってくる。地元男性によれば、彼らが住んでいるのは「911(日本の110番)に電話をすれば警察がちゃんと来てくれる地域」だ。
翌朝、宿泊したホテルで朝食を取った。レストランにいる客は白人ばかりだった。念のため、ぐるりとレストラン内を歩いて1周してみた。黒人の客は1人もいなかった。
たまたま、そのときはそうだった、というだけかもしれない。
でも、事実だ。
(吉枝道生)