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ソウル 逸品 コリアうみゃ~

2013年12月10日

 名古屋のみそがなぜあれほど赤いのか。米こうじを入れず、豆だけで長期熟成させるからだ。韓国のみそも豆みそで、煮るほどに風味が増す。韓国料理は濃く、はっきりした味が多いのも名古屋と似ている。赤みそと赤いキムチの国の味の共通点を感じていた。

 最近、名古屋めしと韓国料理の合作がソウルに現れた。料理は3つ。まず「みそ煮込み参鶏湯(サムゲタン)」。参鶏湯は丸鶏にもち米などを詰めて煮込んだ滋養食で本来のスープは白色だ。赤みそで50分煮込んだため、スープは赤黒い。鶏肉やもち米とよくからんでおいしく、驚いた。

 残る2つは、石焼きビビンバとひつまぶしを掛け合わせた「石焼きビビンまぶし」と、あんかけスパのあんをかけた「あんかけキムチチャーハン」。石焼きの方は、薬味のわさびがビビンバの香ばしさを引き立てていた。

 料理は、食文化の交流で観光客を増やそうと韓国観光公社と旅行会社JTBが共同で創作。名古屋発の同社企画ツアーに参加すれば明洞の店「阿味笑(アミソ)」で食べられる。レシピは名古屋を拠点に活躍する料理研究家の長田絢(あや)さんが開発した。

 韓国人の知人が一気に平らげるのを見て、韓国人にも受けると思った。食べた後には「コリアうみゃ~」(おいしいの名古屋弁)と言うのだと教えた。 (辻渕智之)