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ソウル 知るほどに面白い国

2014年01月06日

 成長産業育成を目指す「未来創造科学省」、女性問題などをつかさどる「女性家族省」。日本にはない、韓国の中央省庁名だ。

 「統一省」もその1つ。文字通り朝鮮半島の統一問題を扱う。最近では、韓国企業が入居する北朝鮮・開城工業団地の再開をめぐり、北朝鮮側との交渉を担った。

 その統一省の官僚、尹鉉仲(ユンヒョンジュン)さんが最近「ポーランド 行ってみたい国 知れば知るほど面白い国」を出版した。ポーランドの気候や首都・ワルシャワ近郊の名所案内など軽い話題から福祉や経済システムの紹介、韓国人とポーランド人の感覚の違いまで。「ポーランド入門書」に仕上がっている。

 なぜ、統一担当者がポーランド本を?

 北朝鮮の体制の行方を見すえ、旧東欧圏にいたポーランドが市場経済に転換した過程を研究するため、尹さんは2004年から2年間ポーランドに派遣された。後輩や両国交流拡大に役立てばと、帰国後に経験をまとめたのだという。

 統一省だから、北朝鮮の後ろ盾となる中国やロシアに職員を送っているだろうとは思っていたが、当時、国交樹立10数年のポーランドにも人を出していたとは。尹さんの著書名ではないが、韓国は「知れば知るほど面白い国」だ。

 (篠ケ瀬祐司)