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高雄 「太陽の恩恵」夜まで

2014年05月07日

 台湾南部・高雄市を流れる愛河。以前は昔の東京の隅田川と同じで、汚泥の臭いのする川というイメージがあった。何年も前からクリーンになり、観光船も走っている。

 その観光船の形が奇妙。平らな屋根があり、それが光っている。屋根の上に車でも載せるのかという感じだが、光っているのはガラスのよう。

 なんだろうと気になり、夜に乗ってみた。船賃は1人150元(約500円)で25分。操縦士に「この屋根はなんでこんな形?」と聞くと、「太陽船だから」。太陽船とは太陽エネルギーで走る船。光っていた屋根はソーラーパネルだった。「昼間、蓄えた太陽エネルギーの電気で夜も走るんです」。道理で音が静かだ。

 でも雨の日は太陽エネルギーもたまらない。どうするのか尋ねると、「雨の日は観光客もいないから欠航になります」。なるほど。

 船が川を下り、湾内に入ると、海鳥が飛んできた。夜の観光船なんか暗くて、面白くないのではと思っていたが、ツインタワーの間にランドマークの高雄85ビルが見えて、夜景はなかなかきれいだった。 (迫田勝敏)