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中国・無錫 朝礼にのぞいた神髄

2014年05月28日

 中国江南の水郷の街、無錫。太湖に産する魚やエビなどの水産物が豊富で、古くから「魚米の郷」と称された。1980年代半ばに大ヒットした歌謡曲「無錫旅情」を思い出す人も多かろう。歌の中で、旅人は「上海、蘇州と汽車に乗り、太湖のほとり無錫の街へ・・・」。今は、中国自慢の高速鉄道に乗れば、上海から1時間もかからぬ。

 改革開放以降、急速に発展し進出している日本企業も多い。岐阜県多治見市に本社を置く電気部品メーカーの工場を見学させてもらった。

 中国事業を率いる日本人総経理の朝礼。「今日はマレーシアのお客さんが見学に来られます。質問には正確に答え、おおげさな宣伝や、知らないことをいいかげんに答えないように」

 随分と率直だ。自己PRにはたけるが、逆に「白髪三千丈」の伝統もある中国人従業員にピシリとクギを刺す。それもそのはず。工場の重要な任務は製品の検品。社訓は「品質第一、数量第二」。

 世界第2の経済大国へとずうたいは大きくなった異国で、日本のモノづくりの神髄を伝える姿は頼もしく映った。 (加藤直人)