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ペンタゴンシティー 困難なんの サイン会

2014年08月09日

 米国初の女性大統領誕生への期待が高まるヒラリー・クリントン前国務長官。回想録「困難な選択」を出版し、バージニア州ペンタゴンシティーの低価格で知られる会員制卸売店コストコでサイン会を開いた。

 新刊本にサインを求め、扇風機や電動歯ブラシ、食器などが並ぶ店内の陳列棚を縫う列。

 ヒラリー氏は水のペットボトルとキッチンペーパーをうずたかく積み上げた壁で囲まれた即席のサイン会場にいた。私の順番がくる。ヒラリー氏は青いボールペンで本にサインし、顔を上げて「今日は来てくれてありがとう」と手を差し伸べた。

 2時間ぶっ続けで500人以上にサインし、握手をしてきたとは思わせない丁寧さ。なお500人ほどが並んでいた。出馬宣言はしていないが、回想録出版が大統領選出馬に向けた助走だというのが直感的に納得できた。次への思いがなければこれはなかなかできない。

 「困難な選択」は定価35ドル(約3550円)と印刷されているが、この日の値札は18.99ドルと約4割引きだった。本の価格も本人も、今が最も庶民に近づいている時期なのかもしれない。 (斉場保伸)