2014年09月10日
ジャカルタ中心部のスラバヤ通りには190の骨董(こっとう)店が軒を連ねる。15歳の地元少女との交流を歌った松任谷由実さんの名曲「スラバヤ通りの妹へ」を口ずさみたくなる。
間口2メートル、奥行き4メートルほどの小さい店ばかり。LPレコードやカセットテープにはマニアが興味津々でのぞき込む。60軒ほどは、中古の旅行かばんを売っている。「所得が少ない人にとって海外旅行は一生に1度行けるかどうか。使ったらすぐ売りに出すんですよ」と店長。
高さ30センチの水牛の骨の彫り物を3000円で売り付けようとしていたのはママンさん(55)。ここで40年、店を構えている。
「昔に比べて客は減ったけど、ここはジャカルタ有数の観光名所。米国のクリントン元大統領とか、ハリウッドの有名女優とかがやってくる。世界の有名人を目の前で見ると、得した気分になるよ」
アセプさん(45)は古い漁師の木彫りの像をのみで削っていた。「こいつ、海水パンツをはいているから、それを削ってくれって頼まれて。女性の像の胸を大きくしてくれっていう依頼もあるんだ」。とんだ珍商売にびっくり。 (伊東誠)