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重慶 ひねりにひねった?

2014年09月18日

 中国「三大かまど」の1つといわれる高温多湿な夏の重慶を訪れた。ちなみに残りの2つは南京と武漢。

 街のあちらこちらに政治的なスローガンが目についた。

 「没有共産党、就没有新中国」。共産党がなければ新中国はない-。共産党の革命事業をたたえる、基本中の基本か。

 お次は「我的夢、中国夢」。習近平主席の持論である「中華民族の偉大な復興の夢」の応用版だろうね。

 次の標語に首をひねった。「謙譲不是軟弱」。「謙譲は軟弱ではない」ほどの意味か。共産党の統治やナショナリズムを鼓舞する前2つの政治スローガンとは明らかに異質。

 「バス停などでの割り込みを注意し、社会文明の向上を訴える」とは友人の妥当な説。

 私はもう少しひねった。失脚した重慶元トップ薄熙来氏の大衆路線に懲り、控えめな今の重慶市の「低調政治」を正当化しているのでは? 想像はドンドン膨らみ、重慶の友人と顔を見合わせた。

 「尖閣問題や強引な海洋進出で強硬路線を戒める“落首”かな」。まさか、まさか…。それはあるまい。 (加藤直人)