2014年10月05日
北京では高級自動車は珍しくない。週末には自宅そばにあるショッピングセンター駐車場は欧米の高級乗用車であふれる。時には日本の街中では見られない「超」高級車も見られ、中国の経済力を思い知らされる。
そんななか、高級輸入車の価格がつり上げられているとして中国当局が独占禁止法違反の疑いで調査しているとの報道が流れた。調べると関税分を考慮しても本国より中国での価格がずっと高いケースがあり、ある中国人ジャーナリストは「同じ製品ならどこでも同じ値段で販売すべきだ」と不満げだ。
しかし食品や生活必需品ならともかく、こうした高級車を買うのはしょせん富裕層。高ければ国産メーカーが造る安い車を買えば良いではないか。日本車だって「安くて壊れにくい」を武器に世界中で歓迎されるようになったのだから、むしろ中国国産車の販売を伸ばすチャンスと考えられないだろうか。
「同じ製品ならどこでも同じ値段」という理屈も気になる。価格は需給バランスで上下するものと思っていたが、中国は今になっても労働価値を重視するマルクス経済がまだまだ通用するようだ。(新貝憲弘)