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米ノーフォーク 戦場につながる緊張

2014年11月11日

 米バージニア州ノーフォークにある世界最大規模の海軍基地を訪れた。4万2000人の軍人と2万1000人の一般市民が働き、主ゲートの通過車両は1日5万台以上。1つの都市のようだ。

 今回は市民が視察できる機会で10人足らず。バスに乗り、写真撮影の注意を受けて出発。ハンバーガーチェーン店がある。軍の女性係員は「空母が帰還するとニューヨークの店の次に忙しいの」と冗談めかして話し、老夫婦らに笑いが起きた。

 空母も使用する桟橋は全部で13。さまざまな用途の艦船が停泊し、武骨な装備が眼前に迫る。米軍がイラクで空爆を開始してから2カ月。ペルシャ湾で艦載機が空爆を行う原子力空母ジョージ・H・W・ブッシュもここが母港だ。

 1人の女性が自分のカメラで撮影を始めた。係員が「ここは撮影禁止。安全のために写真は消去してください」とすかさず注意した。それでも女性は「安全って、何を撮っちゃいけないの」と食い下がる。「何がダメか、理由も含めて言えません」。軍事作戦が展開中なのは海の向こう。だが、ここが戦場につながっていることを強烈に感じさせた。(斉場保伸)