【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. 中東・アフリカ
  5. カイロ LED身近になるか

カイロ LED身近になるか

2014年11月19日

 6月にエジプト大統領に就任したシシ氏は、全国でLED照明の導入を進める方針を明らかにしている。停電が頻発する中、消費電力を抑える作戦のようだ。とはいっても、エジプトは2011年のムバラク政権崩壊以降、混乱が続き、国も国民もお金がない。初期投資が多額だからか、就任から4カ月が経過したが、LED導入は進んでいない。

 街の電器店では、LED電球は取り扱われていないし、支局があるカイロ中心部ザマレクの信号機も従来の電球のままだ。LED照明をたまに見掛けるのは高級車のライトくらい。そんな状況だから、普通のエジプト人にとって、LEDはあまりなじみがないらしい。

 エジプトがLED照明の導入を進める中、その生みの親と言っていい名城大の赤崎勇終身教授らがノーベル物理学賞を受賞することに決まった。

 今はエジプト人に赤崎教授やLEDのことを説明しても「そもそも、LEDって何?」という声が多いが、「LED照明の実現は日本人の手によるものだったのか」と反応が変わる日は近いだろうか。シシ氏の手腕に注目している。(中村禎一郎)