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上海 きたれ 雑貨のお城に

2015年02月16日

 上海の名園と言って、まず思い浮かぶのは、明代の庭園美が残る「豫園」だろうか。

 16世紀に、四川の高官を務めた上海出身の官僚が、父のために築いた庭園が原点という。「豫悦老親(老いた親を喜ばせる)」という言葉が、庭園名の由来とも伝わる。

 江南様式の庭園をゆっくり鑑賞するのもいいが、上海を訪れたら、豫園隣接の「福佑門商城」にも足を延ばしてほしい。

 6階建てのビルに足を踏み入れると、おもちゃ箱をひっくり返したような世界が広がる。

 ウルトラマン人形、カバン、文具、工具…。今の時期なら、春節(旧正月)を祝う赤い灯籠や紅包と呼ばれるお年玉用の袋など、ありとあらゆる雑貨を扱う店が軒を連ねる。

 それもそのはず。「100円ショップの故郷」と称される浙江省義烏の企業家が2001年に投資して始めた雑貨市場だ。

 間口2メートル程度の小さな店と侮ってはいけない。上海っ子によれば、店のテナント代は月2~3万元(約60万円)。薄利多売のすさまじさがよく分かる。

 値切り交渉は可能。中国語であっても、上海語でないと多少割高になるかな。 (加藤直人)