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カイロ 異国に響く母校の歌

2015年04月03日

 エジプトの首都カイロで新たに「エジプト稲門会」が発足した。稲門会は早稲田大のOB、OG会に使われる名称だ。発足を記念する懇親会が2月中旬に開かれ、商社やメーカー、公的団体などで活躍する20人近くが出席した。

 懇親会では、学生時代に足を運んだキャンパス近くの食堂や高田馬場の居酒屋、小説にもなった「ワセジョ」などが話題に。何人かは取材で知り合った人もいて「同窓生でしたか」とあらためて杯を交わした。

 エジプトでは過去に何度か稲門会支部を設ける動きがあったが、残念ながら、活動は継続しなかったようだ。今回は息の長い活動が続けばと思う。

 中東全体で台頭するイスラム過激派の影響を強く受け、エジプトでも東部シナイ半島や西部のリビア国境沿いに過激派が存在する。そんな中だけに、日本人同士のつながりは非常に心強い気がする。

 懇親会の最後はもちろん、校歌斉唱だった。「あれ見よかしこの 常磐の森は 心のふるさと われらが母校」。異国のレストランに響いたその歌詞が妙に心に染みた。(中村禎一郎)