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北京 「爆買い」影響 光と影

2015年05月13日

 「ウチの給料、そんなにいいわけじゃないんですけどねえ」

 北京の日系企業に勤める日本人男性は、中国人の「購買欲」にあらためて驚かされた。

 昨年、3泊4日の社員旅行で訪れた日本。一緒に行った三十数人の中国人従業員が買い物に使った金額は合計で100万元(約1900万円)にも上った。親戚や友人に頼まれたiPhone(アイフォーン)やブランド品のバッグを大量購入する人も目立ったという。

 話題となっている訪日中国人客の「爆買い」。日本経済にプラスになるのは歓迎だが、あまり品なく買いあさられては…と眉をひそめる向きも日本にはあると聞く。

 一方で、日本で普通に買い物をしていて、嫌な思いをした中国人の話も聞いた。

 日本人男性の中国人妻が、都心の百貨店で化粧品を買おうとした時のこと。流ちょうな日本語を話す妻が「免税で」と頼んだ途端、店員が急にぞんざいな態度に変わったという。「爆買い」が影を落としている。

 適度な買い物と心からの「おもてなし」。早く良いバランスを見つけられればいいのだが。

 (佐藤大)