2015年06月10日
米東海岸のボストンには、米国建国の歴史的建造物が残る一方で、近代的な高層ビルもそびえ立つ。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学を擁する学園都市という顔も持っている。
米国最古の地下鉄もボストンにある。都心から西に延びるグリーンラインという路線で、1897年に開業した。車両は2両編成とこぢんまりしている。プラットホームは低く、足元を線路が走っている。
実は、この路線は路面電車として誕生した。路面電車は街の景観を損なうという反対に遭い、やむなく地下を通すことになった。
2両編成でないと曲がれない急カーブも多い。そこを電車は金属音を立てながらゆっくり進む。小編成なのでラッシュ時はかなり混雑する。電車は都心を過ぎると地上に出る。
駅の構内は鉄骨むき出しで時代を感じさせる。下車した車両の前を横切り、別の路線に乗り換える駅や、上下線の出入り口が別で、地下でつながっていない駅もある。
不便な面もあるが、味わいがある。ただ、地下駅の線路脇にかなりの量の枯れ葉が積もっていたのには首をひねった。 (青木睦)