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ニューヨーク これも格差の弊害か

2015年06月21日

 米国の小売店などで、時にぶっきらぼうな接客態度に驚くことがある。

 先日もニューヨーク・マンハッタンの家電量販店にカラープリンターを買いに行った際、女性店員に「このプリンターの扱い方を教えて」と言うと「簡単だから教えるまでもないわ」との答え。次に「あなたが薦める機種はどれだ」と質問したら「このコーナーにあるのはどれも一緒よ」と言われ、苦笑いしながら最初に選んだ機種を買うことにした。

 米国人の知り合いに、このやりとりを話したら「小売店の従業員は給料が高くないので、やる気を維持できない人もいるんだ」と少し悲しそうに語った。米国は堅調に景気が回復しているが、幅広い国民が賃金上昇という形で恩恵を受けているわけではない。貧富の格差がこんな形で表れるのかもしれない。

 米国で買い物をすると、メールや電話で「アンケートのお願い」をよく受ける。どれも「あなたの声を今後のサービス向上に生かすため」という趣旨だ。これまでは回答しなかったが、接客態度の改善を期待し、今後は自分の意見を届けることに努めよう。 (東條仁史)