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ワシントン 快走!?日本製地下鉄

2015年09月09日

 早口で何を言っているのか分からない-と、ワシントンの地下鉄の車内放送は不評だ。運転手が次の停車駅をアナウンスするのだが、米国人でさえ聞き取れない。次の停車駅を示す電光掲示の路線図も車内にはない。ここでは1970年代に製造された老朽車両が、まだ主力の一翼を担っている。

 4月に川崎重工製の新型車両「7000系」が登場した。まだ運行数が少なく、最近ようやく乗ることができた。

 首都圏交通局では初めてのステンレス車両。従来の車両に比べて座席がゆったりしている。電光掲示の路線図もある。それに車内放送が自動音声になり、実に鮮明だ。私でも聞き取れる。新型車両は好評で、交通局は748両を発注し、老朽車両と入れ替える計画だ。

 ワシントンの地下鉄は安全性や利便性で多くの問題を抱えている。そんななかで、電車が到着するまでの待ち時間を示す電光掲示が駅のプラットホームにあるのは、例外的に便利だ。

 ただ、特に運行に問題が起きたわけでもないのに、減るはずの待ち時間が逆に増えたのを目撃した時は、目を疑った。 (青木睦)