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中国・深セン 緑帽の罰に怒るわけ

2015年09月14日

 赤信号を無視する歩行者横行に業を煮やした中国深セン市の公安当局が、20元(約400円)の罰金を支払う代わりに、緑の帽子をかぶらせ、交通安全指導の手伝いをさせるという新たな政策を8月から導入した。

 華僑向けの通信社・中国新聞社などによると、新政策導入から3日目には、286人が赤信号無視で摘発された。92人は罰金を支払ったが、3分の2以上の194人は新導入の罰を選択したという。

 違反者は、警察官と一緒に交差点に立ち、緑色のキャップと同色のベストという姿で、「信号を守ろう」と書いた旗を振って交通安全を呼びかけた。

 地元紙記者が取材した日、30分間に20人が摘発された。ところが、ある男性は「緑帽」の罰を聞くや激怒し、最終的に罰金を支払って解放された。

 というのも、中国では「戴緑帽子」という成語は「妻が浮気しているのに気づかない夫」を指す有名な言葉。市民の抗議が広がり、公安当局は結局、赤、黄、白など7色の帽子から違反者が選べることにした。緑も含まれているが、大騒動の後、あえて屈辱的な色の帽子を選ぶ人はいるのかな。 (加藤直人)