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ソウル 高校生 日韓友好の星

2015年10月23日

 「日本の童謡『赤とんぼ』と朝鮮民謡の『アリラン』は、同じ3拍子で、もの悲しい旋律もそっくりです」。韓国人の女子高生が「赤とんぼ」の歌詞を途中から「アリラン」に替えて歌い、日本人と韓国人の情緒が似ていると流ちょうな日本語で説明してみせた。

 ソウルの日本大使館などが催した韓国の高校生の日本語スピーチコンテスト。地方予選を勝ち抜いた約20人の演説は、創意工夫にあふれていた。

 ある女子高生は、日本語の一人称は男女で異なるが、韓国語では違いがないことを紹介。ネットで日本人と親しくなったときに、ずっと「おれ」と自称して男性に間違われた体験を、ユーモアたっぷりに明かした。

 どの出場者からも伝わったのは「日本が好き」という熱い気持ち。アニメや漫画で興味を持った生徒が多く、外交官や教師になる夢を語った。一方、日韓関係が悪い中、周囲から「なぜ日本語を?」と変わり者扱いされるという嘆きもあった。

 日韓の共通点も差異も理解し日本に好意を抱く若者たち。「自分が日韓を仲直りさせたい」と熱く語る姿が、とても頼もしく見えた。 (島崎諭生)