2015年11月13日
タイの大学の卒業式はほとんどが平日で、土日に開かれる式の練習日に家族や友人、知人を呼んで盛大に祝ってもらう。支局の女性助手(22)が友人に招待されたので、最高学府チュラロンコン大へ行ってみた。
校門では贈り物用として大きな風船やぬいぐるみ、花が並ぶ。風船2つ300バーツ(約960円)はかなり高い。アルファベットの風船が人気。どうやって持ち帰るんだろう。そんな心配をよそに「名前の頭文字を選んで買うのです」と助手。
式は大学関係者と対象の学生ぐらいしか入れない。平日休めない親が多いタイではこの日が本番。白地に金の線が入った大学のガウン姿のわが子と写真に納まり、涙する人も。卒業生もあちこちでポーズを取る。専属カメラマンを雇うケースも。
ペンさん(55)は姪(めい)のお祝いに駆けつけた。「いっぱいお祝い品を持ってきたけど、すでにいっぱいもらって受け取れないって。別の日に届けるわ」と大きな袋を抱えながら、ニッコリ。
支局の助手は、友人が翌日試験を控えて先に帰ってしまい、会えずじまい。涙ぐむ助手の手の風船が、ゆらめいていた。 (伊東誠)