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ロンドン めいる冬 癒やすのは

2016年01月27日

 カサカサ。休日の午後、ロンドン北部の自宅の居間から外を見ていると、何かが動いているのに気が付いた。カサッ、カサカサカサッ。不規則なリズムでちょこちょこ周囲を走り回る。目を凝らして、音の方向を探すこと数分。正体がリスだったことにようやく気付いた。どうやら2匹いるようだ。

 数日後、散歩で訪れた公園でも、あちこちでリスを見かけた。人を見かけても怖がらず近づいてくる。公園のスタッフの肩に乗って、エサをもらう人懐っこいリスも。英国ではよく見られるとは聞いていたが、実際に住んでみると、本当に身近な動物だ。

 ロンドンはハイドパークなど自然豊かな公園が多く、都心部でも野生のリスはよく見られる。実のなる木が多く、食料条件、治安とも、リスにとっては最高の住環境のようだ。

 自宅の近くの公園では、散歩中の犬に追い掛けられ、慌てて木の上に逃げ込む場面も。犬はどうも苦手のようだが、愛嬌(あいきょう)を振りまく姿は人を和ませる。長い夜が続く冬のロンドンは気がめいりがちなだけに、ホッとさせる存在になってくれそうだ。 (岩佐和也)