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ソウル 築17年の賃貸 高い訳

2016年02月04日

 ソウル駅から地下鉄で4駅の東部二村洞(トンブイチョンドン)地区は、日本企業の駐在員と家族が多く住む「日本人街」。郊外にある日本人学校の通学バスがこの地区だけしか発着せず、日本語が通じる医院も多いためだ。子どもが3人いるわが家も、地区内のアパートの1室を借りて住んでいる。

 便利なだけあって、築17年と古びていても家賃はかなり高い。先月はベランダに雨水がたまって修理。停電や湯が出ない事態も数回経験し「家賃に見合わないよ」との思いが強い。

 先日、朝にエレベーターが動かなくなった。部屋は19階。徒歩で下りて管理人に尋ねると「修理したから、すぐ動くだろう」と言われ、安心して出勤した。だが、昼すぎに妻から「まだ動かない」と困惑した連絡が。末っ子を幼稚園に送った後、韓国語教室で修復を待ったが、戻ってもまだ直っていなかったという。幸い子どもたちが帰宅する直前に復旧。徒歩で19階まで上る事態は避けられた。

 政府は不況脱出に向けて不動産の活性化策を取っており、ソウルのアパート価格は上昇の1途。来年はわが家も家賃の更新時期。その報道を見て、気がめいった。 (島崎諭生)