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北京 目玉飛び出るお年玉

2016年03月01日

 中国で正月といえば今も春節(旧正月)を指す。年末年始は1月1日だけが祝日。今年は2月7日から一週間が春節休みで、北京の街はようやく「年末気分」になってきた。

 支局のベテラン運転手が「日本では紅包(ホンバオ)(お年玉)はいくら渡すの?」と尋ねてきた。「3000円とか5000円かな」と答えると、プッと笑われた。「ずいぶん安いね。中国なら小気(シャオチー)(ケチ)と言われるよ」

 「小気」は中国人が最も言われたくない言葉の一つだ。中国でいくら渡すかと聞くと、「まあ、1000元(約2万円)だね」と言うから驚いた。一人っ子政策の影響で子どもや孫が少ないから、そんなに高いのか? 「いやいや、中国人は春節で友人の家も回るから、その子どもたちにも1000元ずつ渡すよ」と言う。

 「自分の子どもや孫も紅包をもらうから、お互いさまだよ」とも。なるほど。お金が回り回って経済も循環すれば、みんなにメリットがあるわけだ。

 しかし、自分の子どもが成人になった場合、払う一方になって損しないか? まだいくつか疑問が浮かんだが、それこそ「小気」と言われそうでやめておいた。 (平岩勇司)