2016年03月02日
東京を観光で訪れたある英国人が朝のラッシュで混み合う電車を見て「こんなに詰め込むなんて信じられない」と驚いたそうだが、ロンドンでは無理に車内に乗り込む人はまず見られない。こちらの人は、ギュウギュウ詰めになるくらいなら、次の電車を待った方がいいと考えているようである。
しかし、である。通勤時になかなか電車に乗れないのだ。無理に電車に乗らない人が多いのだから、当たり前なのだが、人だかりの中、目の前を何本もの電車が出て行くのを見続けるのは、せっかちな日本人にとっては精神的によろしくない。
列の先頭になり、次は乗れるなと思ったら、後ろからスーッと追い抜かれることも。ボーッとしてはおれない。降車する人に場所を譲ったすきに先を越され、苦笑するしかないときもある。
わずかなスペースを見つけて乗り込む“達人”も。そんな達人は女性ばかりだ。車内の乗客たちがスッと場所を空けているようだ。意識せずとも女性には場所を空ける。これも「紳士の国」ならではの風景なのかな。
(岩佐和也)