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ニューヨーク 車種で分かる地域性

2016年03月23日

 ニューヨーク・マンハッタンの北方に広がる郊外に住んでいるが、周辺を運転すると、トヨタ自動車をはじめ日本車がとにかく目立つ。試しに、自分のアパート前にある駐車場で「国籍調査」をしてみた。28台のうち、日本車が18台、韓国車が6台、米国車はわずか4台だけだった。

 ニューヨーク周辺は人種も多様で、日本車の品質、燃費性能などを好む人が多いのだろう。米自動車産業の本拠地、ミシガン州デトロイトを訪れた際は、ゼネラル・モーターズ(GM)など米ビッグスリーの車ばかりで、日本車はほとんど目にしなかった。日本の自動車メーカー関係者は「かつてのような日本車たたきの雰囲気はないが、デトロイトだけは別ですよね」と苦笑いした。

 米国は言わずと知れた車社会で、どのような車種が多いかで地域特性がよく分かる。中西部や南部では、かつての西部開拓時代の馬を連想させる、荷台付きの「ピックアップトラック」が人気だ。地域で異なる車種の構成は、広大な国土の象徴といえる。出張した時などに、こんな「分布図」を調べるのも楽しみの一つだ。

 (東條仁史)