2016年05月25日
今にも動きだしそうな航空機や宇宙船の展示物を見上げつつ目的の部屋へ向かった。ワシントンの国立航空宇宙博物館。アポロ17号が持ち帰った「月の石」にも触れられるスミソニアン博物館群でも人気の施設だ。
向かった先は「第2次世界大戦の航空」と題された部屋。10年前に訪れた時、米軍による空襲について説明したパネルに誤記を見つけた。館員に指摘したら「訂正リストに加えておくよ」と言われた。
「その後」を確かめたかった。展示室に入ると、スマートな機体に人が群がっていた。零式艦上戦闘機(ゼロ戦)だ。「確か、この近くにあったはず」とパネルの英文を目で追った。
東京、横浜、神戸、大阪に続く都市名が「Nagoyo」となっていた。10年前と変わっていない。あの時、「名古屋市に本社のある新聞社の記者だ」と熱心に説明したのに…。がっくりときた。
膨大なリストの中で、順番を待っているのかもしれない。だけど、このまま黙っているわけにはいかない。今度は英語表記の地図や歴史書を手に訂正を求めることにした。再訪を楽しみにしながら。 (北島忠輔)