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台北 旅行兼ねた電話詐欺

2016年06月23日

 電話詐欺の容疑でケニアで拘束された台湾人たちが中国へ強制送還され、台湾政府は人権無視と中国に抗議している。対する中国は「被害者は中国人だから、われわれ(中国)が取り調べるのは当然」という。確かに中国の言い分にも一理ある。

 なにせ台湾でニセ電話詐欺事件は多い。以前は福建省から電話していたという。それがベトナム、フィリピン、そしていまやアフリカから。電話役はアルバイト的な軽い気持ちの台湾の若者だ。相手は台湾人か中国人なので、中国語ができれば務まるし、ついでに海外旅行も。

 数年前、私も二度、詐欺電話を受けた。最初は「三年前の×月~×月の電話代が未払い」と言うので「引っ越してまだ一年足らず」と答えると「すぐに振り込まないと不通になる」。居合わせた知人が「詐欺だ!」。その声が聞こえたのか、先方が電話を切った。電話局に聞くと「代金請求は文書通知。電話ではしない」という。

 二度目の時「私は日本人で言葉が分からないから、書面で通知してくれ」というと電話は切れた。手口はさまざまだが「書面通知を」というのは詐欺防止になるようだ。 (迫田勝敏)