2016年09月29日
川と海に接するモーラミャインは人口30万で、ミャンマー第3の都市だ。「なんて広いんだ」。タンルウィン川の幅に圧倒されながら、夕暮れにぶらぶら歩く。屋台で目当ての物を頼み、川風に吹かれながら食べられる場所に行き着いた。
頻繁に停電になっても、大勢の人が動じないのは日常茶飯事ということなのだろう。
ミャンマーの焼きそばをほおばっていると、4歳くらいの女の子が妹と物乞いに来た。
見渡すと、あちこちのテーブルに“同業者”がいる。どの子もせいぜい5歳くらいまでの幼さ。妹か弟を連れ、おんぶしたり、懸命に手を引いたり。かなり長い時間、粘っている。机の高さに届かない場所から小さい手を一生懸命伸ばして。
この子たちも必死だ。ほとんどが学校にすら通えない。親を内戦で亡くした子もかなり多いからだ。
親の屋台を手伝う小学校5年生くらいの男の子がいた。テーブルの間を縫うように駆けずり回って注文に応じる。懸命に働く姿に感心してチップを渡すと「ありがとう」。ビールケースにつまずきながら笑顔で駆けていった。
(伊東誠)