2016年10月19日
英国3連休の日曜日、サッカーのプレミアリーグを見に中部マンチェスターへ。ロンドンからの列車はサポーターで埋め尽くされていたが、中に、虹色の服や帽子姿の人々を見かけた。駅を降りると、構内にもレインボー旗が掛かっている。性的少数者(LGBT)への理解を訴えるイベント、マンチェスター・プライドだった。
メインはパレードだが、中心部の会場も大にぎわい。入場チケットはないが「通り抜けていいよ」と言われ、虹色の世界に足を踏み入れた。屋台がずらりと並び、道行く人の髪や顔もレインボー。男性同士、女性同士が手をつないで楽しそうな姿に、こちらも笑顔になった。
サッカースタジアムでも掲示板が虹色に点灯し、「プライドを応援します」と呼び掛ける。社会に浸透したプライドだが、一方で、本来の趣旨が薄まり商業イベント化したという批判も増えている。20年の歴史を持つマンチェスターでも、不満を持つ人たちが独自のLGBTイベントを立ち上げたという。
裾野を広げつつ、どう原点を保つか。社会の少数者たちの闘いに、単純な道はない。 (小嶋麻友美)