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中国・延吉 交流の糸 ここで紡ぐ

2016年11月18日

 北朝鮮と国境を接する中国東北部・吉林省延辺朝鮮族自治州に赴任している日本人ビジネスマンや留学生などでつくる延辺日本人会が、今年で設立10周年を迎えた。

 北京や上海など大都市とは違って、会の登録者は80人弱と小規模だが、キムチ作りの体験会や国境の町めぐりなど特色ある行事を通じ、地元との交流や在留邦人の支援など精力的な活動を繰り広げてきた。

 ほぼ毎月発信される日本人会ニュースには時折、国境地帯の様子も紹介され、北朝鮮情勢を担当する記者にとって、欠かせない情報源にもなっている。

 10周年記念パーティーが9月下旬、自治州政府がある延吉で開かれた。情報システム会社社長で、日本人会会長を2007年から引き受けた中溝正俊さんが「設立10周年紀念大会」の横断幕を背にあいさつ。本来「記念」と書くべきところを間違えたと笑いを誘った上で、糸ヘンの「紀」にさらなる交流の輪を紡ぐ思いを込めたい、といった内容で締めくくった。

 辺境の地で日中の懸け橋を担う人々の共感を得たようで、約40人の参加者からは大きな拍手がわいた。 (城内康伸)