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北京 不審電話 やまぬ悩み

2017年03月10日

 週に一度か二度は不審な電話が来る。日本でも営業の勧誘電話を受けることはあったが、中国ではスマートフォンにまで連絡が来るからやっかいだ。

 「投資をしませんか?」「融資が必要じゃないですか? 金を貸すことができますよ」

 こっちの都合はお構いなし。一方的に話す電話相手の背後から、何人もの話し声が漏れ聞こえてくる。コールセンターのような場所から手当たり次第に電話を入れているようだ。

 大半は振り込め詐欺などの犯罪集団だろう。最近、遠く離れたアフリカに拠点を置いていた犯罪グループが摘発された。外国政府の協力がなければ取り締まりもできず、当局も頭を悩ませていることだろう。

 一度かかってきた勧誘電話にはスマホの「着信拒否」を設定して自己防衛するしかない。それでもショートメールを使って「50万元(約850万円)まで貸せます」などのメッセージが頻繁に届く。困ったことに同じスマホには振り込め詐欺への注意や、警告を装った詐欺メールまで来るからややこしい。北京でスマホを持つ限り、当面はこの煩わしさから逃れられないとあきらめた。 (秦淳哉)