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エジプト・スエズ トンネル 改修は日本

2017年04月26日

 運河で知られるスエズとシナイ半島をつなぐアハマド・ハムディ・トンネル。スエズ運河の下を通る長さ1.63キロのこのトンネルは、1983年に英国によって造られた。

 しかし、深刻な漏水が見つかったことから、エジプトが日本に改修を依頼。日本政府は政府開発援助(ODA)として75億円を支出し、92年から4年かけて日本企業の手で工事が実施された。

 在エジプト日本大使館は2月にトンネルの視察ツアーを開催し、エジプトメディアの記者ら10人が参加した。トンネルは武装したエジプト軍兵士が厳重に警備。内部は片側一車線だ。スエズ側からトンネルに入ると、右側には日本が改修に協力したことを示す石碑があった。

 トンネルを見学した大手紙アルアハラムのイマン・ムスタファさん(31)は「日本が工事に協力した歴史は知られていない。ぜひ紹介したい」。

 エジプト人から見た日本は、技術力の高い国だ。修復から20年たったトンネルは今日も問題なく利用されている。次の20年をへてもなお、日本が技術立国であり続けていることを願いたい。 (中村禎一郎)