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ソウル この言葉は通じる?

2017年08月01日

 しまった、通じるかと思ったがダメだった。韓国人記者に、米韓首脳会談を取材する米国出張から戻ったら土産話をしてあげる-と伝えた時のこと。「ソンムル(土産)イヤギ(話)を聞かせるよ」と言ったところ、反応は「文在寅(ムンジェイン)とトランプが贈り合う土産の話を知ってるんですか、すごいですね」。

 日韓では漢字語を中心に共通する単語が多い上、「話にもならない」「お目が高い」などの慣用句でも、韓国語に直訳すれば同じ意味で使えるケースが少なくない。だからといって油断していると、こんな誤解を招くわけだ。

 さらにややこしいのは、同じ言葉なのに意味が正反対の語。かつて会食の席で「私は八方美人なタイプで・・・」と自己紹介したら、けげんな顔をされた。韓国語の「八方美人」は、さまざまな分野で優れた才能を持つ秀才を指す。謙遜のつもりが、自慢になってしまっていた。

 ちなみに「茶」「注意」「市民」「治療」「温度」「準備」などは、日韓に加え中国語でもほぼ同じ発音と意味を持つという。シンプルで共通した言葉はやはりほっとさせてくれる。 (上野実輝彦)