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バンコク 長野は「サルの県」?

2017年09月07日

 長野県が7月中旬、タイの旅行会社の担当者約40人を招き、首都バンコクで観光セミナーを開いた。「長野の認知度を上げ、誘客につなげたい」と阿部守一知事も登壇、映像を使いながら魅力をアピールした。

 実際にどの程度認知されているか、会場で聞いてみた。「長野ってサルの県ですよね」と話してくれたのは、訪日ツアーを扱うポンパンさん(46)。温泉につかるニホンザルで知られる山ノ内町の地獄谷野猿公苑がお気に入りなんだとか。

 別の旅行会社のシリナンさん(38)も「タイ人に人気の雪がいっぱい。とても美しいというイメージです」。岐阜県の白川郷や富山県の立山との周遊ルートを勧めていると言う。

 そんな旅のプロに長野の課題について尋ねたら「長野が日本のどこにあるのかを知らないタイ人は多い」「タイ語でなくても、せめて英語を話せる人をもっと店に配置して」と訴えた。

 阿部知事は「長野を訪れるタイ人は増加傾向」という。日本の観光庁によると、昨年1年間の延べ宿泊者数は約4万2000人で、前年に比べ2割増。だが、誘客には、心を配るべきことがまだまだある。 (山上隆之)