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中国・瀋陽 何のための私服警官

2017年09月11日

 中国遼寧省瀋陽市のホテル。ロビーのソファでうたた寝をしていたら、旧知の日本人記者に「浅井さん、どうしたの!」と大きな声をかけられ、目が覚めた。私の周りは一見して私服警官とわかる人がずらり。異様な雰囲気が漂っていた。

 民主活動家の劉暁波氏が「危篤」になった報道を受け、駆けつけた瀋陽は、病院の中も外も私服警官だらけだった。病院の周辺を歩いていただけで尾行がついたし、コーヒーショップで原稿を書いていたら、後ろからパソコンの画面ごと写真に撮られたこともある。

 私は中国の法に触れることはしていないので恐れることはないし、嫌がらせをされても報道内容は一字一句変わらない。

 彼らに言わせれば「上からの指示」なのだろうが、時間と労力を割いたところで、成果はゼロに等しい。中国はすさまじいスピードで発展を続ける一方、折に触れてこうした病んだ一面が見えてしまう。

 いや、「嫌がらせをされても報道内容は変わらない」というのは正しくない。「嫌がらせをされれば、それを材料にしたコラムが増えるだけ」に訂正いたします。 (浅井正智)