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ニューヨーク 遊園地も自己責任で

2017年11月14日

 遊園地のゴーカートといえば、決まった道やレールを速歩きくらいの速さで走るものだと思っていた。子ども向けの安全な遊具だ-と。

 渡米後初めて訪れたニューヨーク郊外の遊園地。「安全の決まり」なる保護者向けの注意書きには、こうあった。

 「あなたの子どもたちを最も知っているのはあなたです。乗せるのが適当かどうか、事前によく見てから決めてください」

 たしかに、どの乗りものも日本と比べて動きが速く、激しく、刺激的だ。米国が自己責任の国といわれる理由の一端を見た気がした。

 ゴーカートは特にそう。10台近くが制御できないのではないかと思われるほどの速度で、抜きつ抜かれつの競走を演じ、実況放送が「○番が×番を追い抜きました!」とあおっている。見ているだけでヒヤヒヤする。結局、わが子は乗せなかった。

 その理由は、見ると、いい年の男性が、子どもらを周回遅れにしながら断トツで激走していたからだ。ぶつかったら無傷では済まない。こんな危険を避けるのも、自己責任なのか。よその大人のことまでは知りようがないのだが・・・。 (赤川肇)