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ポルトガル・ポルト 欧州に根付く「すし」

2017年11月09日

 ポルトガル第2の都市ポルトは、ポート(ポルト)ワインとシーフードで知られる港町。海辺近くの通りでは、レストランが競うように店先でイワシを焼いている。トマトで煮込んだたこご飯も絶品だ。

 そんな海鮮料理がおいしいポルトでも、日本が誇る魚介料理、すしがブーム。雑貨店の女性店員は、客の私が日本人だと知ると「私、スシが大好き」と顔を輝かせた。週に一度は食べに行くそうで、「無国籍風のスシが多いけれど、私は正統なのが好き。ニギリもテマキもおいしい」。「握り」も「手巻き」も今や世界共通語だ。

 スイスやスウェーデン、ポーランド、ラトビア。3年間の英国勤務中、訪れたどの国でも、すしは人々の食生活に浸透していた。繁華街を歩けば「スシ・レストラン」がある。スーパーの持ち帰りすしコーナーも、なかなかの充実ぶりだった。

 英国でもチェーン店がそこら中にあり、ランチに多用した。ネタはサーモンばかりだったけれど。日本ではネタも多様でおいしいすしを満喫できるが、脂の乗ったサーモンだらけの「スシ」も、ちょっとだけ恋しく思いそう。 (小嶋麻友美)