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北京 イメージ向上 官民で

2017年12月25日

 賓客を迎える北京の「釣魚台国賓館」で「外交官の夜」というイベントがあり、80数カ国の外交官や外国企業に勤める外国人ら約300人が中国の踊りや食事を楽しんだ。

 主催は北京外交人員服務局という中国外務省の外郭団体。主な仕事は外交官への住宅提供や現地職員の派遣などだ。

 このイベントを全面的にバックアップしたのは、スウェーデンの「ボルボ」を買収した中国の国産メーカー「吉利自動車」。安聡慧(あんそうけい)総裁は華やかな壇上でのあいさつで「服務局には今年も50台採用してもらった。外交官が使用する車は単なる公用車ではない」と胸を張った。

 日本やドイツなど車メーカーを持つ国は主に自国の車に外交官ナンバーをつけて乗るが、財政状況が厳しい小国にとって、大使館で使う車は重荷だ。今回のイベントは、このような国に「中国独自開発」の車を使ってもらおうという取り組みだ。

 この日はナイジェリアやウルグアイなどの大使館に吉利の高級車を交付する式も行われた。自社の車をセールスするとともに、国とともに中国ブランドを高める先兵としての役割が見え隠れした。 (安藤淳)