2018年04月13日
欧州のサーファーが集うモロッコの街タガズート。波についての情報は少なく、治安状況も分からない。正直、不安だった。ただ、暖かい海と極上の波を求め、旅立った。
宿には約60人のサーファー。唯一の東洋人だった私の緊張を解きほぐしてくれたのは、彼らだった。
ポルトガル人のバンダは空港から宿までの送迎車で同乗。初心者だが、3日後、見事、ボードの上に立った。後日、ブログに私のことを書いてくれた。同室だったアイルランド人のルースは4カ国語を操り、フランス語しか通じないタクシー運転手と交渉してくれた。スウェーデン人のカリンは、私の仕事に興味津々で、何度も詳しく尋ねてきた。
夕食後、屋上のテラスでくつろいでいると、オランダ人のダニーが明かりを消して、満天の星を見せてくれた。ドイツ人のピーターは、現地でボードを購入したとうれしそうに話していた。
「最初は不安だった」。そう言うと「え? そうは見えなかったよ。特に海の中では」とみんな。確かに、いい波に乗れた。でも、彼らとの出会いが何よりの財産。来年もここで会おうと約束した。 (沢田千秋)