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北京 債券にパンダや将軍

2018年06月12日

 これほど国際友好に貢献してきた動物は他にいるだろうか。中国国内で日本企業が1月に初めて発行した人民元建て債券は「パンダ債」と呼ばれている。

 日本の金融庁担当者に聞くと「この種の債券には、その国にふさわしい通称名が付けられてきた」ため、中国ではパンダが選ばれたのだという。パンダは世界で愛される存在だと改めて思った。日本で東京・上野動物園のシャンシャンが人気となったのも記憶に新しい。

 企業が外国で現地通貨建てで発行する債券は、オーストラリアでは「カンガルー債」、香港やシンガポールは「ドラゴン債」といい、動物の名前を使用している。韓国では「キムチ債」と食品名だ。いずれも「お国柄」を反映していて興味深いが、やはりパンダの持つインパクトにはいま一歩というところか。

 ちなみに日本で発行される円建ての債券は「サムライ債」「ショーグン(将軍)債」と呼ばれる。いずれも戦闘的なイメージなのが少々気に掛かる。訪日観光客が増えつつある中、個人的には「サクラ債」や「フジサン債」のほうが友好的イメージとなると思うのだが。 (秦淳哉)