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ワシントン 神聖と熱狂の一体感

2018年06月13日

 復活祭(イースター)の日曜日、家族4人でワシントン郊外のカトリック系教会を訪れた。信者ではないのだが、イースター用に装飾された卵を探し回る「エッグ・ハント」を子どもたちに体験させたかった。

 「キリスト教を信じてないのに行っていいの?」。長女(13)は心配そうだ。キリストの復活を祝うイースターは、信徒にとって非常に大切な祝祭行事。私も同じように不安と後ろめたさを感じていたのだが、「何か聞かれたら復活祭の意義を学びに来たと言おう」と話した。

 いざ礼拝堂に入ると、シスターが「ハッピー・イースター」とハグ(抱擁)で迎えてくれた。着席し、礼拝が始まると壇上のシスターたちがゴスペルを数曲披露。その後、司祭が周囲の人同士の握手を促し、私たちも「ハッピー・イースター」と前後左右隣と握手。聖書の一節をみんなで読み、一体感に包まれた。

 礼拝後、外に広がる芝生でエッグ・ハントが始まった。笛の合図とともに駆けだす子どもたち。近くにいた親は「絶対に金色の卵を取るのよ!」と叫んだ。まるで運動会のような熱狂。礼拝の神聖な雰囲気との落差が心地よかった。 (石川智規)