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パリ 水に流せぬトラブル

2018年07月24日

 フランスでは修理に時間がかかる。支局近くの地下鉄駅はいつも改札機のどれかが壊れ、数週間たっても直らない。自宅マンションのエレベーターが長期間止まった。管理人に聞くと「業者に連絡したけど、いつ直るかは…」と歯切れが悪い。

 パリの古い建物の自宅で先日、漏水が起きて外壁にしみ出した。管理会社に電話で状況を話すと「すぐに水道業者を手配した」との連絡。意外と素早い対応に感心したが、結局来たのは翌日の昼ごろだった。いくつも仕事を抱え、忙しいらしい。

 住人の焦りにつけ込んで、パリでは水道業者を装った詐欺が多いらしい。「チラシに『すぐ対応する』なんて書いてるけど、実際は何も直さずに高額請求するだけ」とやって来た水道業者の男性が言う。玄関の鍵の仕組みや室内の貴重品を確認し、空き巣に入る手口もあると言う。

 手際の良い作業で、無事漏水は直った。前夜は何度も起きて容器にたまった水を捨てたと言うと「今夜はゆっくり眠れるね」と男性。ところが古い建物、すぐに別の場所でも漏水が始まった。修理が遅くなってもいいように、早めに連絡するしかないようだ。 (竹田佳彦)