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モスクワ 「開国」の進展いかに

2018年08月14日

 米朝首脳会談を前に、ロシアのラブロフ外相が9年ぶりに北朝鮮を訪問した。同行取材した知り合いのロシア人記者が、その模様を教えてくれた。

 訪問のプログラムは事前に明らかになっていなかった。平壌の空港に到着すると、バスで故金日成主席、故金正日総書記の銅像が立つ万寿台へ。ラブロフ氏が花を手向け、一礼すると、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談が決まった、と伝えられた。

 会談は代表撮影のみで、平日なのに誰もいない議事堂で3時間ほど、待機させられた。同じ部屋にいた北朝鮮のカメラマン全員が真新しいニコンの機種を持っているのが印象に残った。

 待っている間の軽食を、北朝鮮にあるロシア大使館が用意した。すべて北朝鮮製というパンやソーセージ、チーズの味は悪くなかった。滞在はわずか9時間。結局、正恩氏を肉眼で見る機会はなく、帰りの機中で会談の画像が公開された。

 米朝会談が終わった。北朝鮮は開かれた普通の国になっていくのだろうか。9月には正恩氏がロシア極東ウラジオストクを訪れる計画が浮上する。私も「開国」の進展ぶりを実感させられるのだろうか。 (栗田晃)