2018年09月04日
少年ら13人が閉じ込められたタイ北部チェンライ郊外の洞窟近くで取材中、何度も声をかけられた。「イープン(日本)?」。私がよほど日本人らしい顔をしているせいか、タイ人たちにはすぐ分かるようだ。
「おなかすいてない?これ食べて」と弁当を差し出すボランティア。「今から案内してあげるから、ついておいで」と手招きし、公表されていない軍の臨時ヘリポートや民間救助チームの基地を教えてくれた人も。
もともとタイは親日国だが、6月23日に事故が発生し、ある日から日本人記者に対してより優しく接してくれた。日本が国際協力機構(JICA)の専門家チームを派遣し、技術的なアドバイスをしていると、地元メディアが報じたのだった。
13人全員が無事に救出された7月10日夜。洞窟近くで、ボランティアたちの喜びの声を聞いて回った。「日本も豪雨被害がひどいと聞いています。そんなときに助けていただいて、感謝します」とスナンさん(40)。
国内外のメディアが集結した取材拠点では、タイ人記者にこう声をかけられた。「日本も大変だな。頑張れよ!」 (山上隆之)