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パリ 優勝の歓喜 駅名にも

2018年09月01日

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で20年ぶり2度目の優勝を果たしたフランス。歓喜に沸くパリの交通公団は決勝の翌日、1日限定で地下鉄の複数の駅名を大会にちなんだ名前に変えた。

 シャンゼリゼ・クレマンソー駅を名将デシャン監督にあやかり「デシャンゼリゼ・クレマンソー」駅にしたり、駅名の「BERCY(ベルシー)」と「ありがとう」の「MERCI(メルシー)」をかけたり。

 お祭り気分を盛り上げる改名とはいえ、変わりすぎて外国人旅行者らが戸惑う駅も。「AVRON(アブロン)」駅は、動詞「勝つ」の「GAGNER」を「勝った」と複合過去形にするための助動詞「AVOIR」の代わりにして「NOUS AVRON GAGNE」駅という具合。

 駅施設の故障も事故時の乗客への説明も、普段は対応が遅いパリ交通公団だが、新駅名のパネルまで用意する手回しの良さ。フランス人の支局助手は「いつもこれだけ早く対応してくれたらいいのに」とぼやく。

 この日は混乱防止で多くの駅が閉鎖された。だが、多少の問題や不便は大目に見て喜びを分かち合うのもフランス流のようだ。(竹田佳彦)