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ソウル 「爆炎」乗り切るには

2018年09月09日

 今夏は韓国でも異常な暑さが到来。政府は連日のように「爆炎警報」を発令し、屋外活動を控えるよう呼び掛けている。

 そんな猛暑を乗り切る秘訣(ひけつ)が、参鶏湯(サムゲタン)などに代表される「保養食」だ。栄養ある食事で体力をつけるのが発想の源で、ウナギやカモの水炊き、犬鍋などが体に良いとされている。

 さて、韓国人の友人が「変わった保養食を食べさせてやる」と、食堂に連れて行ってくれた。用意されていたのは、鶏とニラが入ったシンプルな鍋。スープは少し茶色がかっているが、特別なにおいもない。

 ところが食前、1錠の丸薬が出され「飲んでおけ」。さらに卵も食べるよう促され「胃に膜を張るんだ」と説明を受けた。見た目は普通だが何やら恐ろしげなその食べ物の正体は、「漆(うるし)のスープ」だった。

 コクがあって滋養に良さそうな漆のエキスは、消化を促してくれる一方、体質によっては、じんましんが出るとのこと。私が恐る恐る口に運んでいると、見かねた友人が「これさえ飲めば大丈夫」と差し出したのは「爆弾酒」で・・・。翌朝、幸いアレルギーは出なかったが頭痛が残った。 (上野実輝彦)