2018年09月20日
7月半ばから上海でオレンジ色の真新しい自転車を見るようになった。シェア自転車大手モバイクが新規投入したものだ。
1回1元(約16円)で利用できるシェア自転車は、便利このうえないが、私はここ数カ月ほとんど使っていなかった。
第一、故障車が多すぎる。自転車には「ブレーキの利きを確かめてから解錠を」とただし書きがある。しかしブレーキは利いても、チェーンやサドルが壊れていることがある。いったん解錠すれば1元課金されてしまう。たった1元でも腹が立つ。
当地の報道によると、上海のシェア自転車10台のうち4台は故障しているという。利用者そっちのけもいいところである。
中国でシェア自転車が登場して2年。続々と業者が参入し、顧客獲得のため各社が自転車を大量投入。激しい競争の末、経営破綻や身売りが相次いだ。過当競争の成れの果てが、回収された廃棄自転車の山だ。
モバイクの新しい自転車は当然、清潔で壊れてはいない。これが無秩序な競争から利用者本位の運営に転換するきっかけになるようなら、愛用者に戻ってもいい。 (浅井正智)