2018年10月02日
「え、大人も?」。思わず声を上げた。韓国では9月から、自転車に乗る全ての人にヘルメット着用が義務化される。自転車事故が増えており利用者の安全のためというが、大人まで義務付けられると思わなかった。
通勤に自転車を使っている身として、ヘルメット着用はつらい。韓国では健康や環境のため政策として自転車の利用を促進しているはずなのに「逆効果ではないか」と思っていたら、案の定、批判の声が上がった。
最も問題なのはソウル市などが導入しているシェア自転車。安くて手軽なため利用者が増え観光客もよく乗っている。ヘルメット持参で観光に来る人はいないため、無料で貸し出す方針の自治体が多いが、今年のような猛暑の中「他人の汗がついたヘルメットをかぶるのか」という指摘だ。紛失の問題もある。
現実の問題をよく考えてほしいと「卓上立法」「卓上行政」などという揶揄(やゆ)も出て、行政安全省は先日「当面、取り締まりや罰則を設ける計画はない」と表明。義務化後、着用率は変わらないだろうとの見方もある。
というわけで、しばらくは様子見を決め込み、ヘルメットは買っていない。(境田未緒)