2019年01月24日
女性議員が半分を占める英中部マンチェスターの市議会。女性の進出が議会審議にどんな影響を与えているのか、傍聴に出掛けた。
冬場を迎え、ホームレスの宿泊施設や食事支援の状況をただす質問が続いた。正直なところ、日本の地方議会とそれほど変わらないとの印象。だがドラマは最後に待っていた。
名誉職の市長で議長役の女性議員ジューン・ヒッチンさんが「議事は終了しますが、皆さんそのまま席に残ってください」と呼び掛けた。すると1人の男性議員が立ち上がり、議場を横切り始めた。「20年間の思いを、今ここで決着させます」と大きな声で言いながら。
向かった先は1人の女性議員。ひざまずき「結婚を申し込みます」。女性議員はあぜんとしながらも、プロポーズを受け入れた。2人は同じ労働党の議員仲間。たちまち祝福する同僚議員たちに囲まれた。
ヒッチン市長の粋な計らいだが「議場でのプロポーズを許したのは前例がないかも」と、くすりと笑った。これも女性ならではの判断か。男女半々の議会では男女の出会いも多いのは事実だろう。 (阿部伸哉)